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プリコネチャンネルRe:Dive 第150回 金崎貴臣監督インタビューまとめ

なんと第150回では金崎監督がゲストということで折角なので文字起こししました。気になったところだけ。言うて対象が殆どになっちゃったけど......

https://hibiki-radio.jp/description/priconne_re/detail

プリンセスコネクト!Re:Dive チャンネル - YouTube

備考:

完全な文字起こしではないです
間投詞など冗長な表現は省いて丸めてます
(もしかしたら声優さんのコメントの発話者間違えてるかも...)

派手な改変は当然していないですが結構端折ったり細かな記述間違ったりしているところもあると思うので、オリジナルのものを聞いたほうがいいです。
参考程度に。

視聴者感想からの抜粋

最終話コッコロがペコリーヌを抱擁するシーンについて(08:15~)

伊藤美来(コッコロ役):

演じる時も、包容力のある感じというか、母性を感じるように意識したのは覚えています。

金崎監督:

最終話だけやたら間を取っていたんだよね。だから他の話数よりは演じるプランが変わっていたんじゃないかなと思いますね。

アニメのクオリティについて(09:14~)

プリコネーム「はるねぎさん」によるアニメ最終話感想: ここまでクオリティの高い作品に仕上げてくださった金崎監督を始め、 アニメに携わってくださった皆さんに感謝です。

金崎監督:

これは本当、僕よりも現場で動いてくれた若い制作の子達が一杯いるんですけど、その子達がいいものを作ろうという意識が高かったので、そのお陰だと思います。それが皆の心にも届いたんじゃないかなと思いますね。

最終話のED曲について(10:36~)

金崎監督:

ゲームやってくれてる人たちって、あの曲を何回も聞いてると思うんですよね。その人達が最終回でハッピーエンドなだけにコネクティングハッピー、いいところでかかるとやっぱり響くだろうなと思って、ずっと出さないように出さないようにと......。

これが毎週かかっちゃうと新鮮味がなくなっちゃうから最終話まで温めていました。

最終話キャルがペコリーヌを抱き返すシーンについて(12:25~)

※ここは視聴者感想までスゴく好きなので多めに字起こし!

プリコネーム「三つ子のTさん」によるアニメ最終話感想:

アニメ・プリコネ13話みました。アニメではペコリーヌが嬉しいことや楽しいことがあった時に、キャルちゃんやコッコロに抱きつくことが多く、キャルちゃんはその過剰なスキンシップに対し「抱きつくなー!」と大声を上げることもよくありましたよね。
しかし、ペコリーヌが抱きつく理由、それは皆に忘れられたくない、という願い。 戦いを終え街に帰還した際、いつものように抱きつくペコリーヌに対して、 これまで抱きつきを拒否してきたキャルちゃんがペコリーヌをそっと抱き返すシーンはすごくすごく感動しました。

立花理香(キャル役):

そうなんです!そこからのコネクティングハッピーですよ。は~そりゃハッピーですわ。

M・A・O(ペコリーヌ役):

(曲が入ってて)流れているところからのぎゅーですよ、堪らない!

立花理香(キャル役):

そこで抱き返す時のキャルの表情がなんとも言えないの!

金崎監督:

あそこが難しかったところでもあるんだけど、皆早く笑顔を見せたいと思ってキャルちゃんをすごく笑顔にしちゃうんです。 でも、キャルちゃんって素直じゃないキャラクターだと思ったんで、 とにかく最大のキャルのデレは手だけ。抱きしめるところを最大のデレにしてあげたっかたんで、だからそれまでのずっと表情はずっと笑顔じゃなくて複雑な心境で統一してて。 それがあったから最後肩を抱き返すところが生きるんじゃないかなと思って作ってありますね。

伊藤美来(コッコロ役):

表情以外でも気持ちを伝えてくれることが多くて、堪らなくて、髪の毛とか!

アニメに出演した原作ギルドについて(14:47~)

(「何よりもまだ見られていないキャラやギルドがたくさんいます!ぜひ続編の制作をよろしくお願いします!」という視聴者感想に対し)

M・A・O(ペコリーヌ役):

まあでもそもそもゲームでたくさんのプリンセスがいるなかで、結構たくさん人数出てきたイメージはありますけどね。

金崎監督:

頑張った、けどね、話数が足りなかったね......。

立花理香(キャル役):

誰をどう出すかって結構悩みそうじゃないですか?あれだけ人数いたら?

金崎監督:

めちゃめちゃ悩んだ。ただやっぱり一番大切にしたかったのは美食殿を軸にしたストーリーにしたかったので、美食殿が生活・冒険する中で自然に出会える人たちというのは決め込んでるんですよね。 だから、そのギルドを出したいからといって強引に出しすぎると美食殿の物語じゃなくなっちゃうので、そういう流れで自然に見えているといいなと思って作っています。

アニメで伝えたかったことについて(16:25~)

プリコネーム「イクス(いくす?)さん」によるアニメ最終話感想:

始めはギャグ展開から始まったアニメでしたが、美食殿の結成と日々の活動、 ユウキくんの成長とプリンセスたちとの出会い、 世界に隠された謎への挑戦、そして日々を過ごす中で生まれる人の絆の愛おしさなど プリコネの大事な要素が全部盛り込まれていて最後まで見て幸せになれたアニメでした。 食べること働くこと愛すること何気ないようで大切なことが溢れていて、アニメが終わっても プリコネの皆とともに歩いていく日々がこれからもっと大好きになりそうです。

金崎監督:

実はアニメで伝えたかったことってイクスさんが言ってくれた、 この食べること働くこと愛することっていう、何気ない日常を美食殿を通して、見てる人も同じ気持ちになってもらいたいなぁと思って作ってあるんで、届いてよかったなぁっていう感じですね。

あの子達がずっとああいう日々を過ごしてくれるといいな、って思える感じが、アニメでやりたかったことだったので、 3話で「始めましょうここから」ってペコリーヌさんがラストカットで言うんですけど、もうあそこの段階で最終回の展開をやれるといいなということを考えていました。

監督へのインタビューパート

シナリオを作る過程での美食殿それぞれのポイントについて(20:47~)

コッコロ

金崎監督:

コッコロさんってキャラはすごくわかりやすかったんですよ。一途だし。 で、アニメにする時に大切にしてあげたいなと思ったのが、コッコロってしっかりしてるんだけど年齢とのギャップがあるじゃないですか。一番年下だけどしっかり者みたいな。アニメってやっぱり動きがつくので、ドラマの中で、歳相応のリアクションというか、そこを表現するとコッコロさんのパーソナルが、骨格が見えてくるんじゃないかなと思って、そこをコッコロさんは膨らませていったイメージですね。

※ その他表情の話もあったんですが割愛

キャル

金崎監督:

キャルさんはアフレコの時すごい大変だろうなと思ったんですよ。めっちゃツッコミを。周りがボケとボケにボケを重ねていくから、 それを全部拾っていくポジションなんで。
アフレコやっててキャルさん大変だなと思ったのは「ただいまー!」とか「寝るー!」あと「虫ー!」って、 最初のギルドハウスを掃除する4話のアバンのときとかは「寝るー!」ってテイクをもらうだけで、6, 7回くらい録り直して(笑)

立花理香(キャル役):

結構、あそこやり直しましたね(笑)

金崎監督:

多分ね、立花さんも何が正解かもう分かんないって(笑) めっちゃやってもらったよね

立花理香(キャル役):

色々あったけどでも一応元気だけど目は瞳孔開いてるわね。っていう絶妙な

金崎監督:

キャルさんは性格は原作のシチュエーションから考えてもすごい分かりやすい子なんですよね。シナリオ作る上でもすごいブレがないというか、シナリオの書き手としてはすごく掴みやすいキャラでしたね。
単純にアニメの音響監督としては、立花さんに「無理をさせちまったな...」みたいな(笑)

ペコリーヌ

金崎監督:

ペコさんのキャラクターを掴むのが一番苦労して、ゲームをプレイしていてペコリーヌさんの思考がほぼわからなかったんです。この人は美味しいものがあれば常に元気っていうのはわかるんだけど、それだけだとキャラクターとして血が通ってこないと言うか、この人はなぜ故ににこうなってしまったのだろうというところから考えていって。

実はテレビの最終回の12話13話、ああいう形で一応放送したんですけど、あれとは全く違う話を、実はもう9割型完成するくらいまでシナリオ作って。
今回もう音響制作の人にもこれでいきますよというシナリオ投げてたんですけど、自分の中で書いてて、今回とにかく気をつけていたのがキャラクターに嘘っぽいセリフを吐かせたくないと言うか、そのキャラクターはこういう心情だからこういう言葉を発しますよ、っていうのを丁寧に拾って行きたかったんで。
シナリオ書いていても自分の中で、なんか違うなというのがずっと引っかかってて、ぶっちゃけここを作り直しますというのは大人としてダメだなと思ったりもしたんだけど、多分そのままいっても誰も幸せにならないし、ペコリーヌさんも幸せになれないなと思ったので「すいません!もう一回書き直します!」っていってバーンみたいな!(笑)燃やせ燃やせこんなもの~!って(笑)

で、もう一回書き直してやっていって。
やっぱりペコリーヌさんがああいうふうになる土台っていうか、ゲームで描かれていなかった部分を明確にしてあげることで、なんでペコリーヌさんはあんなに一生懸命、人のために頑張るのかとか、それはやっぱり王の資質というか、護る人がいるからこそ頑張るみたいな人となりをしっかり描いてあげることでペコリーヌが見えてくるかなーって。

そういう意味で、イカッチ、チャーリーさん、マスター、ヤスコさん、トメさんみたいなああいう街の人たちって、必要だったのはペコリーヌが護るべき人たちの顔が見えないと。顔が見えない人を護るっていっても見てる人には伝わらないと思うんですよね。
護るべき人たちもペコリーヌのことを愛してるし慕うし、その良い関係っていうんですかね。それこそ美食殿も絆だし、ペコリーヌとランドソルの人たちとも絆を持ってて。
元々プリンセスコネクト!Re:Diveっていうタイトルって、絆を大切にしてるじゃないですか。だからああいう部分がそこに集約していくのかなと思いながら最終的にああいう形の最終回になった感じですね。

音響監督としてキャストそれぞれで注力した点について(29:30~)

コッコロ

金崎監督:

一番は作品の空気感。特にコッコロさんとかはゲームと全然間が違ったと思うんですよね。ゲームはもっとゆっくりなんですよ喋り方が。テレビアニメって21分の中に全部収めなきゃいけないんですけど、コッコロさんのあの間でやっていくと番組の半分くらいで終わってしまうなという感じになるんで(笑)
なんでペコリーヌさんとかキャルさんを基準のセリフの間だと考えると、キャルさんが若干速いんです。ペコリーヌさんがスタンダードだと考えるとそこから1.5倍ゆっくりとかぐらいにしてちょっとだけ時間をとるように作っているんですけどその中でやってもらって。最初だからすごくやりにくかったと思うんですよね。

伊藤美来(コッコロ役):

いやでも監督に一番最初声かけて頂いて、ゲームではこれくらいゆっくりの感じだけど、アニメの方ではちょっとテンポよくと言うか会話にしたいのでということで声を掛けていただいて、よし頑張るぞってなりました(笑)

金崎監督:

その短くなった間でも伊藤さんのコッコロさんのほんわかオーラみたいなものをしっかり出して頂いていたので「あ、ラッキー、いいぞいいぞ」と思っていました(笑)

キャル

金崎監督:

キャルさんはとにかくセリフの量とあとテンション。多分テンションの上げ下げでいうと一番大変だったと思います。すごい勢いでツッコんでたと思ったら次の瞬間真面目に落ち込んでたりするんで(笑)

ペコリーヌ

金崎監督:

ペコリーヌさんは4話の木を切るところから来た来たと思ってました。「ふんす!ふんぬー!」って(笑)
あれはほんと最初どうくるかなーって思ってたんだけども予想の斜め上すぎて。やべ大好物きちゃったって思ってました(笑)
今度6話のキャンプの時にずいずいずっころばし歌ってもらったじゃないですか。あれもアフレコ台本には曲名書いてなかったんですよね。酔っ払って鼻歌ーみたいな感じのくらいに書いてて。でアフレコの時には童謡みたいな歌ってもらっていいすかという感じで言ったら、あんなノリノリのずいずいずっころばしが来て面白すぎると思って。あの時の阿部さんも振り切ってて面白かった。

その他(アフレコブースの温度感)

(上記の文脈の話から引き続いて)

金崎監督:

プリンセスコネクトのアフレコ現場で大切にしてたのは、アフレコブースの温度感みたいなものをフィルムまで、放送のところまで持って行きたかったんですよね。
なのでプリンセスコネクトってほんとにメインキャスト以外の人達も僕が今まで仕事してきた中でとても引き出しのある方たちに参加してもらってて。

(中略)

ああいう引き出しをたくさん持っている人達と一緒にやると「ここまでやっていいんだ」というものがメインキャストの人達にも伝わったと思うし、「逆にこれくらい振り抜いちゃっていいんだ」みたいな感じの温度感が伝わればいいなと思ってキャスティング色々考えていたんですけども、皆さんベストな演技を引き出してくれたかなと思って、すごくやってて楽しかったですね。

最初の本番録る前に皆でテストやるじゃないですか。実はあれが一番好きなんです。テストの時が皆ある意味肩の力が少しリラックスしてる部分があるじゃないですか。あの時にふっと出る、生な芝居というんですかね、自然体な感じを極力放送まで持っていきたいなって思っていて。テストの時から実はじーっと聴いてて、「あ、めっちゃいいのある」と思ったら、ミキサーの山口さんに「すいませんあそこの部分だけ引っ張ってこれませんかね」みたいなずるいやり方してたりとか。
セリフを投げて返してみたいなリズムがアニメだと固定されてるから、モニタ見ながらそれをやっちゃうとどうしても固くなってしまう瞬間ってあると思うんです。 でもテストの時って意外とそれが柔らかい瞬間があって、そういうのが出ると、より血の通ったキャラになるかなという、自分の感覚ですけど、があって。割と多用しますね。 たまに面白すぎて皆が笑っちゃって。笑っちゃった!笑い声入った!って思って山口さんに「消せるかなー」って「いや無理です!」「ですよねー!」って。(笑)
そういう柔らかい現場だからこそあの空気感が出るのかなと思うので、良いのかなと思いますね。

音響やBGMについて

金崎監督:

BGMに関して言うと、ゲームをプレイしながら声を聴いていた時にも感じたんですけど、やっぱりゲームをやっていて曲めちゃくちゃいいなぁおいって。 でCygamesさんにゲームの曲を全部今あるものを聴かしてくれって言ったら、びっくりするくらいの量がきて、何ギガあるんだ。すげえ量だ!でも聴かなきゃって(笑)
全部聴いたらどの曲もすごくよく出来てて、曲の段階でドラマが完成しているんですよね。「これはアニメでももしよろしければ使わせていただいても?」って話をしたら、すごい協力的なご意見で「どんどん使ってください」と言って頂けたので。 なのでアニメでは新規発注曲自体は30曲ないくらいじゃなかったかなと思いますね。
メインに据えてるのはゲームのときの音楽の日常パートであるとか、最終回のコネクティングハッピーのちょっと編曲したやつとか色々あるんですけど、そこらへんは元々あるものを使っているんで。まあやっぱりロストプリンセスとコネクティングハッピーの曲の強さ。この曲強いわ~って(笑)
曲に説得力がありますよね。聴いてると。この曲聞くとスイッチ入るなーみたいな感じもあるから。

アニメって映像とシナリオとあと音楽、ここらへんの3つの総合的なものが、視聴者の人に響くか響かないかを構成するデカイ要素なので、プリンセスコネクトっていうのはそこの部分でゲームで培われた世界観が長いことあったからこそパワーがあるんだと思うんですよね。だからそこらへんは作ってて助かったしやりがいもあったかな、みたいな感じですね。

最後に(43:19~)

金崎監督:

本当、楽しんで頂けた人たちに伝えたいのは、アニメってすごいたくさんの人が関わって、声を当ててくれる人がいて、絵を描く人がいて、音楽作ってくれる人がいて、またその色んな素材をまとめてそれを動かしてくれる製作の人がいて、っていう皆が集まってできる総合芸術なので、少しでもね、心に響くものになったとするんであれば、ほんと皆が頑張った結果かなと思うので、皆が楽しくてちょっとほっこりしてもらえたんだったら、作ってよかったかなぁと思います

所感(蛇足)

非常に興味深いインタビューでした。

視聴者感想も皆「わかってんねぇ!」という感じで嬉しかった。僕もお便り出せばよかったな。

あと、

  • アニメで伝えたかったことについて
  • シナリオを作る過程での美食殿それぞれのポイントについて(ペコリーヌ)

このあたりが特に自分がアニメを見て考え、想像していた内容と一致していてそれも嬉しかったです。
それを正しく視聴者に届けられたアニメの質が真によかったということでしょうね。(ありがとうアニメ・プリコネ)

あと特にここ!ここはラジオを聴いていてちょっと泣いちゃいました。

ペコリーヌが護るべき人たちの顔が見えないと。顔が見えない人を護るっていっても見てる人には伝わらないと思うんですよね。

アフレコブースの雰囲気の話も聞くに、きっといい制作環境だったんだろうなと。
元々想定されていた最終話の話含め、こういった現場の他の話もBD特典などで聞けたらいいなと思います。

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